「ノートルダムのせむし男」が好きな中務さん。よって自分を名乗るペンネームは「HUNCHBACK」。古くてシンプルでチープなモノに惹かれるという彼のタッチは、可愛いらしさと毒々しい一面がポップに混在している。ルアーにはたくさんのカラーが存在するが、彼のカラーリングは一度見たら二度と忘れることはないだろう。
H:子供の頃から絵を描くことは好きでしたが、釣りも好きでしたよ。大人になってからは、知り合いの車に描く機会もありましたが、ルアーを塗り出したのは10年くらい前ですかね。そもそも描きたい気持ちはあっても、自分の絵を振る舞う機会なんて頻繁にないじゃないですか?そこで既存ルアーに自分タッチの絵をリペイントしてみようと思いまして。それをSNSでアップしたら、皆さんに気に入っていただき定期的に販売するようになりました。今では木工旋盤を手に入れウッドルアーも作っています。ルアーの形には拘りがなくて、むしろペイントが載せやすいシンプルな形を優先しています。制限された形に自分なりの表現をするのが楽しいですね。エアーブラシでベースは吹きますけど、細かいところは必ず極細の筆で描くようにしているんですよ。「筆が入っていないと僕のルアーじゃない!」くらい、そこには拘っていますね。手順的に最初に白を塗って、その上から鉛筆で下書きするんですけど、その時にまとめて作った模様は統一性があるんですけど、次に同じ模様を作っても少し違っちゃうんですよねw。鱗模様を描いたとしたら、鱗の数はそれぞれバラバラになるでしょうね。常にノリで作っているので、基本的に同じのモノは作れないんですよw。
L:でもそれこそが、ハンドメイドの醍醐味じゃないですか?
H:失敗じゃないんだけど、後に過去の作品を見ると恥ずかしくなることもありますよ。
L:それはご自分がブラッシュアップしている証拠で、その時代を物語る作品としてアリだと思いますよ!これだけ手先が器用だったら、ご家庭内の色んな私物にも描かれているんじゃないですか?
H:いや…、それはなくて、人に頼まれているモノがたくさんあるんで、自分のまでは追い着いていませんね。あくまでも好きな時に好きな物に描きたいから、なかなか作業が進まないんですよw。描くのは好きなんですけ…腰が重いんですよね…w。