リールのオリジナルハンドルを提案する「BLUE iN GREEN MFG」。開高文学の一節と、漫画「釣りキチ三平」の大ファンだった若き釣り少年の思い出を重ねながら命名。そんな吉武さんが辿り着いたハンドルとは?
古いABUのリールが大好きで、とにかくこれで釣りをしたいんです。子供の頃からABUのリールは憧れの高級品でしたけど、今になって当時のリールを使うと不便な事もあります。特に小型のリールでは巻き取りスピードの遅さにストレスを感じる事が多くて。トップウォーターが大好きですが、それに限定せず色々なルアーを使う僕のスタイルもあって、自分なりに納得いくハンドルを追求してみました。
まず、巻き取りスピードを速くする為に、一般的なハンドルの軸間70mmより更に短くしたものが欲しいと考えた。
しかし、市販品の5mm刻みの軸間で展開されているショートハンドルは、ノブが小さすぎてパワー不足を感じてしまう。
そこで、短い軸間でありながら、しっかり握れる大きめのノブが付いたハンドルを作ってみたが、今度はゴリ巻きした時に握ってない方のノブが手の甲に当たってストレス。
こうなったら、軸間を1mm単位でバランスを探りながらサンプルトライ。結果「67mm」の軸間にオリジナルの横長ノブがついたベストバランスを発見!
思い切って、喜びと達成感で製品化を決意!製品名の”Shorter,Faster,Louder(より短く、速く、激しく)は、大好きなパンクバンド”KID DYNAMITE”より拝借。
ベイトリールのハンドルカスタムには、性能アップとドレスアップという二つの方向があると思うんです。僕のハンドルはそれぞれの良いとこ取りをしていて、昔のディティールをキープしつつ、トップウォーターはもちろん、色々なスタイルでクラシックリールを快適に使えるようにしてみました。「元々素晴らしいモノが今の時代に合わせてより良くなる」。音楽業界で例えると「リマスタリング」と解釈してくれたら幸いです。これからも僕みたいな釣り人の為にモノ作りを続けて行きたいです。