好きなモノやコトに囲まれた理想的な生き方。全ては自分の選択した道を堂々と生きる。時に楽しいコトばかりでない。けど、それすら後の人生を豊かにしてくれると信じている。美容室を営みながら、とことんバス釣りを愛する和歌山県在住の三浦一真さんに話を聞いた。
バスフィッシングとの出会い
自分の店「AZITO」を構える前ですが、とある店の店長を任されていてスタッフの人事採用も任されていたんです。あるスタッフを面接した履歴書の趣味に「釣り」って書いてあって「あ~、なんかオモロない奴、来てもーた」と思ったんですけど(笑)。一応採用して、一緒に働いてもらったんです。そしてある日、流れで彼に付き合ってイカ釣りに行くことになって。釣れなかったんですけど、生のイカを手で持つ彼の携帯写真を見せてもらったら驚いちゃって。「俺も釣りたい!」と思ったんですけど、自分の住まいから海まで片道1時間で往復2時間。そんな時間をかけるのに抵抗があって「もっと近所に釣れる魚はないか?」と、彼に尋ねたら「食べられないけど、5分くらいの池にブラックバスならいる」と言うんですよ。往復で10分だったら、イカに比べて110分も釣りができるじゃないですか!?出勤前と出勤後の効率を考えたら「これしかない!」となって、そこからバス三昧ですよ(笑)。バス釣りとの出会いは、僕の時間貧乏性が生んだ産物だったんですよね(笑)。当然ですけど、当初のルアーチョイスは、極力小魚のような餌に似たルアーを選んでいましたね。でもある日、友達からスピナーベイトをもらって「なんだこりゃ?こんなんで釣れるか!」とバカにしていたら、これが思い他に釣れてしまったんですよ(笑)。そこからですね!バス釣りにどっぷりハマったのは(笑)。「ルアーって、バスって、こういうことなんや!」って、気が付いてからは凄い勢いと角度で没頭しましたね。それ以降は、釣れる場所や思い出に引っ張られるわけでなく、季節な現場の状況に応じて周囲も観察しながら、釣りに応用したらもっと一気に釣れるようになりました。バス釣りはそんなところが面白いんですけど、僕のホームである紀ノ川は日替わり更新フィールドです。未だに分からないことだらけやし、永遠に楽しめるテーマやと思います。紀ノ川ってフィールドとしては浅くてコンパクトなんですけど、ポイントの色んな景色があるから面白いんですよ。台風が一発来ると土砂が流れてきたり、底が抉られたりしてポイントがリセットされるんで。ストラクチャーも変わるし、カレントも常に更新されるんで、過去の思い出めぐりでポイントを選んでいたら全く釣りにならないっすからね。でもそれを探しながら、難しいけれど釣っていくのが楽しくて(笑)。魚影は薄いと思うんですけど、巨大なコロンコロンなバスが混ざっているので、どうしても魅力はあります。そう簡単には釣れないんで、言わば「ハイリスクハイリターン」みたいな。メインベイトの鮎を追い回しているから筋肉質で引きも強いし、クリアーウォータで育っているんでボディーの発色が綺麗やし。ホンマとにかく、格好良いバスと逢えるから好きですね(笑)。
Kazumaが監修するフィッシングロッド「G.O.A.T」
アブガルシアって世界的なレジェンドメーカーでありながら、バスフィッシングのトーナメントも支えてきたじゃないですか?ここ4~5年前から「ベルサート」という、トーナメントの技術を生かしながら、もっとライフスタイルに寄せた少しお手軽なロッドブランドを展開してきました。で、今度はもっとストリート色を強くしたと言いますか、外見の見た目を気にするフィッシャーへと言いますか、バスフィッシングをよりスタイリッシュに表現した「G.O.A.T」というロッドブランドを僕監修で立ち上げたんです。「GREAT OF ALL TIME」と言って、直訳すると「史上最高」ですし、そんな瞬間を支える道具であってほしいという思いが込められています。見た目、コスメ、バックボーンやストーリーがある道具で、スタイリッシュに釣りを楽しんでほしいです。そしてサーフィンやスケボーみたいに、バスフィッシングのイメージを押し上げたいですね。
VGC-64L+-LV
ベイトフィネスに抜群。小型プラグ、ワーミングにも対応するライトバーサタイルモデル。
VGC-610M-FM
名竿の遺伝子を継ぐ、また投げてまた巻きたくなるファーストムービングロッド。
VGC-610MH+
綺麗に曲がる信頼と安心感、繊細さと豪快さを磨いたパワーバーサタイルモデル。
VGS-610MS
魚をソリッドな竿先で誘いMクラスのバッドで確保。繊細と豪快が共存するパワーフィネスロッド。
https://www.purefishing.jp/product/abugarcia/fw-rod/versart/versart-goat.html
https://www.instagram.com/abugarcia_japan/
拘ったセッティングが僅かなチャンスを逃さない
匂いが効くBerkley/Power Bait MaxScent Gritter Hawg 4inchのワームでウィードから引き抜いた。ズレにくいRYUGI/The STANDARD 2/0のフックを刺し、そのアイにシンカーRYUGI/DS RINGED DELTAの5gと3.5gをフリーリグで装着。フリーリグとはシンカーが自由に動くため、先にシンカーがボトムにコンタクトし、後からワーム本体がゆっくり着底する。このスタイルを崩さないように、アイとシンカーの間にRYUGI/MIURA DAMAを差し込む。これはアイに結ばれたノットをシンカーの衝撃から守り、フックとシンカーの一体化を防いでくれる三浦さん監修のアイデア商品。
https://ryugi.jp
https://www.instagram.com/ryugijapan/
日常のKazumaはヘアードレッサー
結論から言うと、美容師の道を選んだんですが、元々は調理師と美容師で迷っていました。どちらも人に対して提供する仕事なんですが、調理の場合は厨房で作った料理をスタッフがテーブルまで届けるため、厨房の調理師には味の感想や反応が聞けないまま完結するじゃないですか?下手したら食べずに残してしまう方もいるかもしれないし、作り手としては少し歯がゆく感じてしまいそうで。でも美容師の場合は、鏡を前に面と向かって話や事が完結するじゃないですか?本人の意見もダイレクトに聞けるし、喜んでいただいたり感動している様子を目の前で体現できるし、だから美容師を選びましたね。
AZITO.HAIRMAKE AND EYELASH
〒649-6227
和歌山県岩出市清水468-4 センターバレイビル2F
TEL:0736-71-1390
https://www.instagram.com/azito.hairmake/?hl=ja
好きなモノやコトに囲まれた理想的な生き方
「人生を豊かにするためにはお金も大切だけど、じゃない部分も絶対に欲しいじゃないですか?」それは自分なりの時間だったり、自分なりの空間だったりする。仕事を営みながら釣りも楽しめるように、自分の時間を確保するために美容師として独立。そして自分の店「AJITO」を構えた。当然、店内の目に入るものは自分好みなものばかり。だがしかし、敢えて「釣り」を彷彿させるものは一切ない。あくまでもお客様を喜ばせることが最前提。仕事へ揺るがない姿勢を表している。逆に言えば、自分が「釣り」と上手く付き合うためのセルフコントロールかもしれない。「髪の毛ばかり切っている「あ?、釣り行きたいな…」と思うのは、釣り好きだったら想像できるじゃないですか?でも遠征ロケが続いて釣りばかりしていると「そろそろ、髪の毛切りたいな…」と思うんですよ。自分の欲求として「やっぱり、AJITOに戻りたいな…」って思うんですよ」自ら荒んだ理想的なライフスタイル。彼は好きなことに囲まれながら明日を生きる。全ては自分の選択した道を堂々と生きる。時に楽しいコトばかりでない。けど、それすら後の人生を豊かにしてくれると信じている。