ルアーパッケージに「DRINKING&CRANKING」と記し、自分らしさに拘るハンドメイドクランクベイト専門ブランド“RIDDLE”。そして13年目を迎えた今年、宮城県気仙沼という土地に心を奪われ移住。粟野さんはルアービルダーとデザイン業を生業として再出発を決意した。お酒とパンクロックが大好きな彼なので、ついつい脱線しないように自社製品について語っていただいた。
L:クランクベイトってバス釣りを象徴するルアーの一つだと思いますが、どんなルアーですか?
粟:リップ、浮力、フック等のボディバランスで「そこ、通せないでしょ?」という障害物が複雑なエリアでも攻められます。ラウンド(丸型リップ)は水生植物やライトな障害物を得意として、スクエア(四角型リップ)は岩やハードな障害物で活躍しますね。コフィン(台形型のリップ)に関しては、それらの中間という解釈が相応しいのかなぁ。ルアーを泳がせると、リップで障害物にぶつかりながら、針先はボディーのベリーに隠れるので引っ掛かりにくいです。ひたすら「投げて巻いて」を繰り返していく手返しの良い釣り方ですね。
L:そのリズムに自分が乗ってきちゃうと、トランス状態でロボットのように永遠に投げ続けてしまいますよねw?奥深い世界だと思いますが、自社ルアーついて教えて下さい。
粟:ウチのルアーは両サイドに、魚のエラをイメージしたデザインが必ずあります。あとはやっぱり、ルアーボディーに面で抉れたベリー部分ですかね?
L:丸みのある窪みは見慣れていますが、確かにこの面で割ったようなシェイプは珍しいっすね。何か研究した意図があるんですよね?
粟:これはw、完全なデザインですね?w。
L:え?、後付けでも良いから吠えても良いのにw。正直すぎる!
粟:オレ、そういうの苦手なんですよw。魚のことなんで言い切れないし、本当に釣ることだけ考えたら「ルアー」でなく「漁具」になっちゃうと思うんですよ。自分はあくまでもルアービルダーですからw。皆さんこのルアーを初めて手にした時に、不思議とこの抉れを人差し指と親指で撫でるんですよw。
L:ついつい撫でたくなっちゃうと?犬猫も撫でたくなりますもんね?
粟:人が物を見たり触ったりした時の気持ち良さや、人間心理上の造形美も一応勉強してきたんで。「魚を釣るより人を釣る」なんてDISった言葉もありますが、オレは悪いと思いません。
L:ルアーなんて自分の分身みたいなもんだから、可愛がってなんぼですもんねw?
粟:ですね。でも実は若い頃に水中に潜って自分のルアーを観察したことがありましてw。このシェイプって光を面で捉えるから水中で凄いアピールなんですよ。更にブルブルとボディを震わせて泳ぐので、バスの視覚に入る色調が変わったり、光の反射でシルエットにも変化が出ると思います。こんなルアーが自分の気づかないところから急に現れると、思わずリアクションでバスは口を使っちゃうでしょうね…。だから釣れちゃうんだと思いますw。
L:それ?!それを先に教えて下さいよ?!(何故、先に言わない?w)