海外釣行を前提に展開する「ORCA」では、釣竿製品だけでなく現地で仕入れてきた革素材をワンオフで製作して販売する「ORCA LEATHER CRAFT」も行っている。その素材とは日常でお目にかかりにくい珍素材ばかり。カバ、エイ、ワニ、イグアナ、カピバラ、ゾウなど、釣り人誰しもが憧れるピラルクの革まで取り扱っている。となれば、マニアな釣り好きは黙っていない。代表の大矢さんに革製品を扱う経緯を聞いてみた。
大:僕の「ORCA」では海外遠征用の釣竿や、マニアックな革素材を使った革製品も販売しています。僕自身がお客様の要望に合わせてハンドメイドでお届けしていたのですが、数年前に親父が単身赴任で名古屋を離れた時に、趣味でレザークラフトの勉強をしていたみたいで、すっかりハマった今では「ジャパンレザークラフト協会」の理事を務めていますよw。ですんで、僕が海外で仕入れてきた革素材を親父が製品化してくれています。定期的に菓子折り持って現地人に交渉して、やっと開拓した自分だけのルートなんで、珍しいもの好きな方には喜んでいただけるかと。現地でも製品化して売っているんですけど、オール革製でなくビニールや合皮と混ぜて仕上げているので残念な製品が多いんですよ。だから「革だけを売ってくれ!」と頼み込むんですが、なかなかそう簡単にはいかなくて。 父:国内の革製品で牛はポピュラーですが、それは我々が牛肉を消費している証拠なんですよ。レザークラフトの基本は、生き物の命をいただいた後の有効活用なんで。現地ではピラルクも食べているのか? 大:僕の釣った魚はリリースしましたが、現地に行ったら必ず店で食べます。淡水魚最大ですからね、皆さん憧れは強いと思いますよ。ピラルクなんて「集まれ!動物の森」くらいしか釣れないですもんねw。人間の微かな振動やタバコを吸った煙の臭いで、姿を見せなくなります。鬼の警戒心で1週間かけて釣れました。ピラニアがラインを切ったり、ルアーをボロボロにしてしまうので、ピラルクと戦う前にピラニアとの戦い(我慢比べ)ですよw。 L:そもそも海外遠征までする釣り人だから、現地の空気感やワイルドな風合いというか、何かとマニアック思考なファンが多そうですもんね? 大:ウチの竿もそうなんですが、拘りの強い本物思考な人は多いですね。特に革の場合は、一生使い込んで風合いや味わいが出てくる楽しみもありますからね。あとは、とにかく素材が珍しいので、惚れ込んだ人は長く付き合っていただけるようで嬉しいですね。
旅と釣りをテーマにしたオルカブランド。遠征が前提の釣りでは、長い釣り竿をコンパクトに持ち運びたいのは当然のこと。持ち運びが便利な連結式のパックロッドこそ、オルカが提案するスタイルだ。広く浅くとは真逆な、少しコアなスタンスがマニアの心をくすぐるようだ。釣竿事業に加えて立ち上げたのが今回紹介する革製品の製造。こちらもマニアの心を擽る逸品に間違いはない。
写真提供:大矢康介
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