台風一発で様変わりしてしまう中部地方を流れる長良川。流れ着いた障害物や複雑に入り乱れる川の流れに「ナガラバス」は潜む。色んな顔を持つフィールドだけに、色んな顔を持つ(レンジを探る)ルアーを握りしめ「ナガラバス」を狙ってみた。ボートフィッシングスタイルなので、本来は多彩なタックルを持ち込めるのだが、ここは新人ハニタスのポテンシャルを探るべく、30 LURES の三輪さんとHANITAS LR の1000本ノックで試みた。
HANITAS LR
手頃サイズになったHANITAS LR
HANITASの登場は衝撃的でしたが、次にリリースされたHANITAS PLUSはビッグベイトサイズでした。それに比べるとHANITAS LRは大きくサイズダウンしているから、ビッグベイト専用タックルでなくとも手軽に使えますね。ちょっとバス釣りをやっている人なら、おそらく手持ちにある番手ロッドで使いこなせると思います。それと今回はリップが付いたことによって、引き心地がしっかり伝わってきます。ついつい前の先輩ハニタスのイメージが強いもんで、もはやハニタスでない別物ルアーにも思えちゃいます(笑)。
変化の激しいポイントにクウィングシステムでアジャスト
僕の通う長良川は地形が複雑で、船で移動しながら水深30cmにルアーを投げていたら、次のキャストでは水深1m以上になる場合があります。オーバーハング(木陰)があったり急なブレイク(急なドン深)があったり、このルアーはそんな不規則なポイントにカバークランクのショートピッチ感覚で使えますね。ポイントの起伏が激しいので、その都度その都度ロッド(その時に合ったタックル)を持ち替えていましたが、これをつけておけばそんな手間は無くなりますし。このルアーはレンジ(水深)の調整が出来るので、これ一つで色んなレンジを探れますもんね。船で流していてブレイクが現れたら、ボディーサイドにある「クイングシステム」をリセットしてやることによって、レンジを選んでポイントをタイトに狙えます。30cmくらいの超シャロー(超浅瀬)でも、リップのついたジョイント・サーフェイスプラグとしても使えます。超スローに巻いてもボリュームのある引き波を立てるし、速く巻くと泡と泡がぶつかるようなスプラッシュ音が鳴る。またピンポイントで動かしたい時は、ボディーをウネウネしながら波紋を出しネチネチしたアクションでアピールも出来ますね。とにかく、魚を呼ぶ要素が詰まった「芸達者なルアー」に思えます。
大自然が生んだフィールドにHANITAS LRをキャスト
川の場合だと水門の開け閉めや上流エリアの天気も大きく左右されます。上流エリアで雨が降っていれば、その濁りは必ず時間差で下流に落ちて来ます。このルアーで考えると濁っている長良川より、透き通った長良川の方が効きそうですね。水がクリアーな時は流れを意識してバスは獲物を待ち構えていますが、濁っている時はストラクチャー(障害物)に身を寄せています。仮にルアーやエサを追ってその場所を離れてしまったら、せっかく見つけた居心地の良い場所へ戻れなくなってしまいます。乱れた環境下で魚自身が生き延びるためにもストラクチャーにはタイトになりますね。そう考えると、テトラポットエリアなんて格好な隠れ家マンションなんで、テトラにリップを当てながらクランクベイトみたいに使って魚を誘い出すのも有効的かもしれないですね。また、今回の新機能でもある左右非対称な「クウィングシステム」は、ルアーがヒラを打ちながら斜めに走行する特徴があります。沈んだテトラ群に沿って流してきたら、喰わせゾーンが拡大されバイトチャンスが増えますね。とは言え、川の場合だと常にポイントが急変するので臨機応変な使い方になります。ジャングルのようなゴリゴリの水性植物エリアもあれば、サンドバーやウィードエリア、インレッドにアウトレッド、マンメイドな縦ストラクチャーもあれば、信じられないクラスの巨大流木も落ちている。そしてこの光景は、台風一発来るとガラリと変わってしまうんです。日々変化する川の表情には、僕ら人間には到底コントロール出来ないパワーと生命感を強く感じますね。こんなところは、いくら通っても完全制覇はありません(笑)。でも、だから、楽しいんです。
30ルアーズ
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