釣具の世界にもブームやトレンドがある。一度何かがバズれば多くのメーカーがそこに追従していく。これは釣具に限らず、飲食やファッションなどでも見られることだ。しかし多様性の波は釣具界にも拡がりつつある。トレンドサーチが開発の主軸に成り果ててしまったメーカーさんには厳しい時代かもしれない。そんな時代に独自の路線をひたすら走るインディーズブランド“Madotachi”さんから朗報が届いた。代表の利川さんは、オリジナリティあふれる発想で釣具界を度々驚かせる敏腕クリエイター。今回はワームのような塩ビ系素材とは異なり、扱いが難しいとされるエラストマー素材でプラグのようでワームのようなハイブリッドなルアーを作ったという。見た目も中身もクロスオーバーした「ソフトハニタス 4」。プラグのように1個ずつ箱に入ったパッケージだが、素材にエラストマーを使ったワームのようなソフト仕上げ。使い方は自由だが、イメージするところはプラグのように巻くアクティブ路線なのだろう。フィッシングマーケットにも、遂にバンド “RED HOT CHILIPEPPERS”のようなクロスオーバールアーが登場したかも知れない。果たして新たなムーブメントを起こしていくのだろうか?
M:春に1回目の出荷を8000本させていただいたんですが、ウチみたいな規模にしては上出来やなと思っていました。で、この秋に2回目の注文を取ったら23000本もいただきまして…。ファーストロットを3倍も越えるなんて驚いてしまって。
L:このご時世でそんなメガヒット!
M:でも従業員にも限界があるんで、そんなに作れないのが現状でして。
L:何が効いたんですかね?
M:いや?何が良いんですかねw?ヒレの角度を変えてレンジを選べる「クイングシステム」は前回作を引き継いでいますが、内部のパーツをお好みで変えれるとか、ワームを刺すのが苦手な方もフックホールが事前にあるからミスは無いでしょうけど…、あとエラストマー素材が注目されているタイミングではありますよね…。ギミックが多すぎて、実は我ながら謎なんですよw。
L:泳がせたら誰でもが納得するナチュラル感と言うか、とにかく艶かしいですよね。
M:ワームっぽさがありながら、プラグっぽい釣りが出来るんで、そこが斬新だったのかな?とも思います。
L:自分の周りでもプラグに拘ってワームを嫌う人がいますが、思うにワームの素材に抵抗あるんじゃなくて、ワームの扱いに抵抗があるんじゃないのかな?スローなピッチだったり、アクションを控えてドリフトしてみたり、一点でチョンチョンと動かし根気よく誘ってみたり、丁寧に魚を誘うような釣りが苦手なのかもしれないですね。特に往年のバサー達は、ビューン!と投げて、ゴリゴリゴリ!と巻いて、ガツン!と竿が曲がるみたいなw。そんなシンプルな釣り美学が忘れられないかもですねw。でもそれは今時の賢いバス達だと通用しなくて、そんな現実にぶつかって釣りを離れてしまうなんてこともありえますからね。でもこのルアーだったら、巻く釣りにも関わらずソフトなアクションでバスを誘えるから「悩めるプラッガーの救世主」になり得るんじゃないですかね?
M:そうだとしたら良かったです!この素材を使って自分のギミックを何処まで入れられるか?と挑戦しましたが、自分でも把握しきれてないメソッドがあるかもしれません。各々皆さんの釣り方や解釈で釣りを楽しんでいただければありがたいですね。
L:最終的に「アイツ、ハニタス使ってるから反則やろ!」って言われたら、勝ちですねw。
<二人大爆笑>