TOP BRIDGE のZAKIくん(山崎さん)とコマツ(発行人)の出会いは、当時コマツがストリートファッション誌「WARP MAGAZINE」に釣りコーナー「SUSPEND ON EARTH」の連載を行なっており、ページ企画で読者の釣り自慢写真を公募したのがキッカケだった。釣り場でスカルマスクを被りバスを持つ彼の姿は、コマツの心を打ち抜き堂々の企画優勝を授けたことを今でも覚えている。後にコマツのウェアブランドの「SUSPEND」を卸していた釣具屋「風来堂」にて、店主の紹介で二人は繋がった。そんなZAKIくんがルアービルダーとしてスタートしたのは20年前。ビルダーデビューを飾った「Head Bang」は未だに人気のロングセラー(本誌別企画ではコマツの元に52cmのデカバスを連れてきてくれた)。¥4,200からスタートしたTOP BRIDGEのルアーは、現在では¥15,000を超えるものも珍しくない。価値ある人が価値を見込んだ一品は、今日のブリッジファンに喜ばれている。彼の釣り人生やビルダーライフを振り返りながら、脱線に脱線を重ねビールを爆飲みしながら話は宴会並みに盛り上がった。
<自分のFISHING LIFEを振り返る>
初めてのバスはポッパーで釣りましたね。スピニングには比重の高いスティックベイトのワームと、ベイトにはトッププラグをつけたサーフェイスを軸に奥多摩湖で釣りをしていました。あの時は水面が破裂したことに驚いて、バスがバイトしていることすら理解出来なかったです。初バスが嬉しくてどうして良いか分からなくて、バスを家まで持ち帰って冷凍庫にしばらく保管していました。小学生の話なんで、最終的にそれをどうしたか?は、覚えてないですけど(笑)。バスは憧れの魚だったんで(笑)。それ以降の思春期はファッションやバイクに興味があって果敢な時期を過ごしていましたが、車の免許を取ってからは控えめだった釣りが再熱して通いましたね。当時、新宿に「風来堂」という刺激的な釣具屋があって。良い意味で釣具屋離れしていて、カルチャーが発進されているというか、ハンドメイドルアーはもちろん、コマツさんのウェアブランド「SUSPNED」もよく買ってましたよ!当時、ストリートファッションとフィッシングをリンクさせたのは一番早かったんじゃないですかね?デザインの着眼点が抜群で大好きでした。休日になると、服屋行ってレコード屋行って、帰りに「風来堂」に寄るという、全て同列な感覚で1日を楽しんでいました。「風来堂」には何かとお世話になりました。ある日、その「風来堂」の釣り大会に参加したんですが、その時に自作ルアーを使って優勝しちゃって…。それをキッカケにそのルアーを「風来堂」で取り扱わせて欲しいという話になって、不揃いながらもやっと20個を作って納めたりして…。思ってもないまま流れでルアービルダーデビューしてしまったという(笑)。思えばそのルアーこそ、未だにウチの看板でもある「Head Bang」だったんですよ。今からちょうど20年前の話になりますが、人生って恐ろしいっすよね(笑)。15年前の30歳の時に脱サラしてルアービルダーを本職にしたんですが、ハンドメイドルアーが衰退していて決して良い時期じゃなかったんですよね。でも関西方面の先輩ビルダーさん達にパーツ製造業者を紹介してもらったり、何かと面倒を見てもらった記憶があります。関西方面の人達は同業者と近しいと言うか、オープンな付き合いが出来て感謝しています。そんなハンドメイドルアーマーケットですが「終わる!終わる!」とナーバスに言われ続け、もはや結構な年月が経っています。信じられないですが、ウチもマイペースながら20年目を迎えられています。これって本当にありがたい話ですよ。
<TOPに絞った釣り方と楽しみ方>
デカいバスを釣るには試行錯誤するじゃないですか?サイズに拘って、理想な魚を仕留めるには独りで狙い打ちして、魚に合わせた釣り方で、しかも同じことばかり繰り返し続けているけど、それって楽しいのか?と疑問に思い出して…。なんだか釣ることに疲れてきちゃって(笑)。そんな時にトップウォーターの世界に出会って「緩くて楽しそう!」と思ってしまいましたね。元々サーフェイスの釣りは好きだったので居場所を見つけた感じで。だけど狙うレンジがトップに絞るとなると、年間の釣果が下がるのは当然じゃないですか?となると「せっかく出会った一匹の価値をどうやって上げるか?」って考え出して…。そう考えた時に「自分の作ったルアーで釣れたら自分の中の価値が上がるなぁ」と思ったんですよね。そこで自作ルアーを作ってみたんですが、まさかそれがルアービルダーの一歩になるとは…全く思いませんでしたよ(笑)。最近は独りで釣りに行くことが少なくて、気心知れた連中と一緒に釣りするのが楽しいですね。みんなで呑んだ一杯の酒が美味いように(笑)、そんな時の一匹も満足度が高くて。人と一緒だと共感も出来るし、色んなアングルでお互い写真も撮り合えるし。今のビルダーさんは綺麗で上手だし、満を持してデビューしているんですよ。僕の場合は「初めて自分用のルアーを作ってみました」みたいなノリでデビューさせられて(笑)、そもそも憧れのビルダーや大きな影響もないままスタートしちゃってるんで。気がつけば、ルアービルダーに行き着いちゃったというか…(笑)。そりゃサボりたくなる時もありますし、釣り同様にバイクやチャリも好きなんで、欲しい物が出来てお金を貯めるために頑張っちゃうこともありますし、自分のライフスタイルと等身大で仕事と向き合っているのかもですね。でも僕の場合はラッキーなことが多い気がします。だってコマツさんと今一緒しているのも大変なことですよ?ブルコさんと繋がってワークウェアの提供をいただいたり、7 STARSさんにロゴデザインをしてもらったり、あり得ない事がどんどん起きて進んでいるだけなんですよ。ま、自分に限っては…(溜めて)、運に恵まれて…たまったま!ルアーを作ってるだけなんですよ(笑)。