ここ3~4年だろうか?秋~冬にかけて東京湾でシーバスのビッグベイトゲームが流行っている。琵琶湖のようなビッグゲームに縁が薄い関東バスフィッシャー達は、ここぞとばかりに自慢のビッグベイトやヘビータックルを唸らせたく東京湾を訪れる。この時期の大型シーバスはコノシロを捕食しているため、バスルアーのビッグベイトサイズがマッチ・ザ・ベイトとなるのだ。とは言え、シーバスとバスの体格差から見ればバス用ビッグベイトはシーバスに対して決してビッグベイトとは言い難い(笑)。それ故にブラックバスとシーバスで同じルアーを使ったとしても口を使わせる原理は違うようだ。魚種や環境の違いこそあれ、同じサンフィッシュ科のゲーム性の高いターゲットフィッシュ。我々の心を踊らせるのは当然とも言える。そんな釣りをルアーブランド「KAESU」のテスターを務める高橋洋一さんと、レジットデザインでロッドプロデュースを務めている澤村智之さんの案内で体感してきた。この時期限定のように脚光を浴びているシーバスビッグベイトゲームだが、どうやらオールシーズン楽しめる釣りのようだ。そう考えれば柔軟な発想のバスフィッシャー達が、舞台を海に変えて手を替え品を替え新しいシーバスゲームを確立する日もそう遠くない気がしてしまった。ローバイトは、そんなクロスオーバーを今から楽しみにしてしまう。
高橋さんが語るビッグベイトで狙うブラックバスとシーバスの違い「FIELD&BAIT」
シーバスは固まりとなったベイトボール(小魚の群れ)を追い回しているので、水面という壁に小魚達を追い込んで下から突き上げてバイトしてきます。だから表層ルアーのチャンスが広がるんです。魚探が20~25cmサイズのベイトボールで画面が真っ黒になってしまう事もありますし、言わば大群なんですよ(笑)。それが水深5m前後のサーフェイスに浮いていれば、シーバスが水深30mにいても平気で突き上げてきます。おそらく潮の中で生きているので、バスと比べて遊泳力の差も大きいし「食える時に食っておかなきゃ!」というベイトに依存したハングリー精神が強いかもですね。お互い吸引型の魚ですが、ブリやシーバスサイズになると一息で飲み込めるサイズなんで、そもそも彼らかしたらビッグベイトどころかジャストサイズだと思うんです。なんなら舐めて捕食していると思うんですよ(笑)。ルアーさえ食わせてしまえば、あとは「掛かってくる」みたいな。だからこそ竿は乗せ重視のモッチリ感が相応しいですね。でもバスの場合になると、ベイトサイズとしては当然大きいので、吸い込むんじゃなくてルアーの横腹を咥え込む感じになります。KRK205のようなルアーで言うと、ジョイント部分に食ってくるのでフックが口の中に入っていません。だからロッドパワーで口からフックポイントをズラしてフッキングさせるイメージですね。シーバスとは異なり、カッチリしたカーボン製の弾性が高いロッドで「掛けにいく」という表現が適切ですかね。
高橋さんが語るビッグベイトで狙うブラックバスとシーバスの違い「APPROACH TO FISH」
海と湖とでは、バスフィッシャーマンの予想を遥かに上回るスケールの差がありますよね(笑)。冷静に考えると…我々はこれをビッグベイトとイメージしていますが、ベイトボールで群れているサイズとルアーサイズはマッチしているので、実はシーバスからしたらビッグベイトでも何でもないないんですよね(笑)。それをベイトボールに向かってダイナミックにキャスト。そして360度の広範囲を意識したアクション。そして飛距離や沈下速度を意識するくらいで、エリアのアプローチでシーバスにアピールしていきます。しかしバスの場合は少し違います。琵琶湖のようなビッグレイクは別として、ベイトとなるトラウトやハスのような小魚はベイトボールになるケースが少ないので、単発のベイトを装って仕掛けていきます。ストラクチャーに付いてベイトを待ち構えたバスにアピールするフィネスな釣りになりますよね。一概には言えませんが、シーバスのようなグリグリ巻いてくる「横の釣り」とは違って、ピンポイントで待ち構えるバスに反射も含めて口を使わせて釣っていく感じですかね。海にはレイクのようなストラクチャーが乏しいため、バスのストラクチャーを海にすり替えて考えると潮目や流れの壁になるのかと思います。環境の違いはあれどバス釣りを応用した「新しいシーバスの釣り」も今後生まれるかもしれませんね。まだまだ進化が期待できる釣りなので目が離せませんね。
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